アダルトチルドレン その原因
今回は、どうしてアダルトチルドレンになってしまうかについて
考えてみましょう。
アダルトチルドレンは、病名ではなく、人間の性格のある特徴です。
親がアルコール依存症 であったり、
親が子供の面倒をきちんと見ることができない等、
家族の機能がきちんと働いていない家庭に育つと発生します。
そして、 アダルトチルドレンは、円滑な人間関係を築けず、かなり深刻な事態に発展します。
下記の文章を参考に、ご自身のアダルトチルドレンの傾向を探り、解放しましょう。
先ず最初に、アルコール臨床ハンドブックを参考に、アルコール依存症への道を解説しましょう。
この図を元に、詳細に見ていきましょう。
1,幼年期の愛情不足
子供の頃の両親からの愛情はとっても重要なのですが、親としてはなかなかその重要さに気付けません。もし、我が子の将来を思うなら、結婚して子供が出来るまでは一生懸命働き、子供が出来たら潔く専業主婦になる事が必須です。「子育ては、女性にとって最も素晴らしい、誇るべき幸せ」と考えると、とっても素敵な家庭ができあがります。
子供が愛情不足を感じる例は下記のようです。
・子供が愛情を要求しても、両親が拒絶する。
・愛情と過保護の区別が付かず、子供をコントロールする。
・過保護という名目で、実は子供の監視をしている。
・躾と勘違いし、実年齢以上の大人らしい行動を強要する。
・家族以外に漏らしてはいけない秘密を作り、守らせる。
・母親が外で仕事をすると家の中には家事や育児をする人がいなくなります。それを年端も行かない子供に無理矢理させる。
これらのような事をすると、子供の記憶の中には、大きな不安感や寂しさが残ります。
2,過剰な依存欲求
上記1の大きな不安感や寂しさの解消のために、子供は甘えたいと、より親に愛情を求めます。しかし、受け入れられないと祖父母、兄弟姉妹等、他の人に救いを求めます。しかし、親が育った環境を作ったのが祖父母で、親が育てたのが兄弟姉妹ですから、彼らも「同じ穴のムジナ」です。お互いに愛情のやりとりが苦手です。
親も、周り人たちも、その子供が愛情を必要としていることに気付けません。そこで、気付いてもらおうと愛情要求のための多くの働きかけをします。これが過剰な依存欲求です。
3,拒絶
上記2の依存欲求が拒絶されたり、叶わなかったりすることです。
アルコール中毒の親や、親らしい事が出来ない親がいる環境では、子供は、自分の要求が一筋縄では叶わないので、より少ない可能性の中で、愛情獲得のために頑張ります。そこで、拒絶される場合が多くなります。
4,不安
依存欲求が拒絶されると、不安感がますます強くなります。親の愛情が獲得できないと言う事は、子供にとっては、自分の生存への不安となるのです。
また、両親から受け取る愛情は、一度や二度あれば良いと言うのではなくて、良質な愛情が生涯ずーっと必要です。愛情を受け取れたり、受け取れなかったりしても、不安が増します。
5,否認
不安感を認めたくないと言う事で否認です。
自分の中にある不安感を認めてしまうと、寂しさが更に募り、無力感に襲われます。そこで、自分は不安ではないのだと自分に思いこませる「努力」をします。
子供の頃の「努力」としては、一人でいても寂しくない方法を見出そうという努力です。例えば、親にかまってもらえなければ、本を読んだり、テレビを見たり、テレビゲームをしたり、何かに熱中する事で、自分の寂しさを表面的に紛らわします。寂しさや不安感の否認です。
その様子を見ている親は安心しますが、子供は心の奥底では、寂しさや不安感を相変わらず感じて育ちます。
小学校・中学校と進んでいくと、お友達ができます。幼児期に自分一人で好き勝手に過ごしてきた子供は、他のお友達との協調ができません。協調しないといじめられてしまうので、ここでも、一人で遊ぶ事を選択しなければならなくなります。幼児期は親に受け入れられず、小・中学生になると、親にもお友達にも受け入れられなくなります。
やがて、自分は、一人でいる方が好きなんだ、一人の方が楽なんだと勘違いをしていきます。一人でいると他人の事を気にする必要がないので、更に孤立するのです。自分の表面的な寂しさや不安は否認できても、心の奥底には、ストレスが溜まっていきます。
また、親から言われ続けていた
・母親が外で仕事の留守中に、家事や育児を頑張ったり、
・躾されたように、より大人らしい行動をしようとしたり、
・仕事や勉強、人間関係を円滑にしようと頑張ったりします。
大人になってからの「努力」は、自分自身や周りを誤魔化すことによって安心しようという努力です。大量飲酒をするようになってしまうと、様々な問題が発生しているのに、お酒を飲み、嘘や言い訳をし、現実を否認するわけです。
6,失敗
幼児期に両親から十分な愛情を受けていないと、
・知力・体力等の発達が不十分、
・両親からは、無理な要求をされる
・幼児期の失敗体験による自信不足
となります。
これらにより、様々な事を頑張ってもうまくいかず、「失敗」してしまいます。そこで、頑張ってもうまくいかないと言う思いが募ります。
大人になって、大量飲酒をするようになると、お酒の上での様々な「失敗」を体験するようになります。失敗に対する自己弁護を重ね、酒を取り上げようとする家族の目を何とかそらそうとします。
適当な嘘を言うことが当たり前になり、次第に自分がやってしまった現実さえも、嘘や言い訳で塗り固めてしまいます。
その結果、このアルコール依存症者の自分勝手な言動に振り回され、家族や周囲の者も、傷つき、様々な問題に巻き込まれてしまいます。
7,不安感、自責感
頑張ってもうまくいかず、失敗してしまうので、不安や、抑鬱感、
怒り、自責感が高まります。
8,素因・環境因
ここに、生まれつきの性格や、生育歴、これまでの生活環境の要素が加わり、ますます問題が複雑化してきます。
9,飲酒
不安や自責感のストレス解消のために、お酒を飲みます。
10,誇大傾向の発展
お酒を飲むと、
・一時的に気持ちが大きくなり、
・不安感やストレスが一時的に解消され、
頑張ろうという気持ちになります。
自分なら出来るという、万能感も湧いてきます。
そして、また行動起こすために、上記5の不安感の「否認」へ行き、ループを繰り返します。
11,アルコール依存症
害があると分かっているのにお酒を止められなくなります。
お酒を飲むと、お酒の薬理作用で気持ちよくなります。それが、精神的依存となり、やがて、お酒なしではいられないという身体的依存へ進み、酒量が増えていきます。
また、お酒に対する感受性が低下し、多くの量が飲めるようになっていきます。
大量に飲酒をする事により、脳が麻痺を起こし、感情のコントロールが出来ず、暴言を吐いたり、暴力をふるったり、飲酒中やその後の記憶が一時的に無くなったりしていきます。
飲酒により、社会的な問題を起こすようになると、アルコール依存症と呼ばれるようになります。
上記9で、不安感や自責感の一時的解消を
・飲酒で行うと、アルコール依存
・仕事の場合は、仕事依存(ワーカホリック)
となります。
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